さて、前回のコラムでは車両火災の原因についてお話しました。
起きてほしくないことではありますが、
一度車両火災が発生してしまった場合、
その車のドライバーやパッセンジャーだけでなく、
周囲を走る車にまで危険が迫ります。
では万一車両火災が発生してしまった場合どのように行動すればよいのでしょうか。
できるだけ落ち着いて行動できるようにするためにも、
車両火災が発生してしまった場合の行動の一例をご紹介します。
・異常に気付いたら、周囲に気を配りつつ安全に停車しましょう
車両火災が発生してしまった際には、
ハザードランプを点灯させ、周囲の車に緊急事態であることを知らせましょう。
周囲の車からは傍目には火災が発生していることがわからないかもしれませんので、
ハザードランプを利用して伝えることは非常に有用です。
安全に停車できる広々とした場所が進行方向にすぐ見つかればベターではありますが、
広い場所を探している間に火の手が大きくなってしまっては危険です。
周囲の車の動きを気にしつつ、急ハンドルや急ブレーキを避けながら、
道路左側の路肩に車を寄せていきましょう。
状況によっては火の手が激しくすぐに停車せざるをえないかもしれませんが、
高速道路上などでは突然急ブレーキで車線上に停車してしまうと、
今度は後続車から追突されるおそれもあります。
可能な限り、左側の路肩に寄せて車を停止させればより安全でしょう。
・停車後はエンジンスイッチを切り、避難、通報
エンジンスイッチを操作して車をオフ状態にし、車外に避難しましょう。
この時に、車検証などを車外に持ち出しておけば、
もし火災がひどくなって車両が全焼してしまうなどした場合に役立つ可能性もあります。
避難する際に余裕がある場合に限り、意識しておくとよさそうです。
また、道路状況によっては、
車外に出てから後続車によってはねられてしまうなどの危険性もあるかもしれません。
十分に注意が必要です。
火の手が上がっているなら即座に119番通報ですが、
焦げ臭さを感じたなど車両火災が疑われる場合はまずは車両を確認してみて、
火災と判断してから119番に通報しましょう。
・可能なら初期消火、無理なら身の安全を確保
危険のない範囲内であれば、ご自身で初期消火を試みることもできますが、
まず第一に優先すべきは身の安全です。
危険を感じた場合は安全な場所まで避難しましょう。
状況に応じて初期消火を行う際には、
上着やブランケットで火元を覆い込むことで鎮火させたり、
飲んでいた飲料水などを利用して消火することもできるかもしれません。
さらに効果的な消火方法としては、
自動車に搭載できる消火器などを前もって車に常備しておけば、
より安心かもしれません。
この場合注意が必要なのは、
消火器によって対応できる火災が異なる点。
木材や紙、衣類などが燃える普通火災(A火災)、
燃料や油脂類が燃える油火災(B火災)、電気器具などが燃える電気火災(C火災)
と、燃える物質別に3パターンに分けられているので、
お手持ちの消火器が発生している火災の消火に適したものかどうかは注意が必要です。
また、目視できる範囲内での火なら初期消火もしやすいものの、
エンジンルーム内やトランクなど、ある程度密閉された場所で発火している場合は、
消火目的でボンネットやトランクを開いたりすると
逆に火の勢いが増してしまうことにもつながりかねず、注意が必要です。
火災が進んでいくと、火の手だけでなく爆発などのおそれもあります。
くれぐれも身の安全を第一に行動しましょう。
どれだけ気をつけていても火災の可能性をゼロにすることはできないでしょう。
いざというときにできるだけ落ち着いて行動できるよう、
心がけておきたいところですね。
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