「風薫る季節」と言われる5月。春から夏に移り変わるその爽やかな気候を楽しめる季節となりました。
わたしたちの会社のすぐそばには石埼川という川が流れています。
川は時折緩やかにカーブしながら戸部駅方面に向かって流れ、川の両側には桜の木が植えられています。
この辺りは石埼橋プロムナードといい春には桜が満開となりとても美しいです。
いま川沿いにはランタナが美しく咲いています。
鮮やかなピンクと黄色のお花が目を引きます。
近寄って良く見ていると1cmほどの花がたくさん咲いています。
蕾も特徴的な形をしており、角の張り出した四角形の蕾で小さな蝶ネクタイが密集しているように見えます。
ランタナは熱帯アメリカ原産の低木で、高さ30~100cmほどになります。
花は枝先に多数集まって咲き、このように一つの枝にたくさんの花を咲かせることを
散形花序といいランタナの小さな花が満開になるとボール状になりとてもかわいいです。
別名シチヘンゲと呼ばれ、花色がピンクや黄色から赤色やオレンジに変化する種があることから付けられたと言われています。
このように花色が時間の経過とともに変化することをブルーイングといい、
バラではブルーイングすると色あせた感じになり鑑賞価値が下がってしまいますが、
ランナタの場合はきれいに色が変化し鑑賞価値を高めています。
そんな目を楽しませてくれるランタナですが、果実にはランタニンと呼ばれる毒の成分があり、
食すと腹痛や下痢や嘔吐 などを伴う症状が現れることがあり、ほとんどの動物はランタナの果実を食べることはないそうです。
しかし鳥類はランタナの果実を食べても平気なようです。
その理由は毒の成分は果肉ではなく種の中にあるようで、歯のある動物は種を噛み砕いてしまう可能性がありますが、
鳥類は果実だけを食べ、 種は消化されず糞と一緒に排出されるので毒の成分を受けずに済みます。
鳥は食料として実を食べ、 植物は種子を散布するためと、持ちつ持たれつの関係にあります。
また、他国から運ばれてきた植物や種子が、その国に土着し自生するものを帰化植物といい、
ランタナは世界の熱帯、亜熱帯で帰化植物として定着しています。
その繁殖力の高さや生育旺盛さで在来種を駆逐する恐れがあり、
世界の侵略的外来種ワースト100に指定されており、日本では要注意外来種生物リストに指定されています。
特に熱帯、亜熱帯気候の土地では、よほどきちんと管理していないとそこかしこにこぼれ種で増えてしまい、
そうした気候の土地では「植えてはいけない花」と言われることさえあるそうです。
日本には冬があるので熱帯、亜熱帯地域に比べ繁殖力は劣るものの育てる場合には周囲に広がらないよう注意が必要です。
このようなかわいいお花に毒があったり、要注意外来種生物に指定されているとは驚きですね。
そんなランタナですが、夏の強い日差しにも負けず夏から秋にかけての長い期間その色の移ろいで目を楽しませてくれます。
今後の花色の変化もまたこちらのコラム欄でお伝えできればと思います。
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